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H21年賀詞交歓会記録を掲載しました。

H21年賀詞交歓会の記録

【関連資料】→【会議及び委員会報告】にH21年賀詞交歓会の記録を掲載しました。

印刷用はこちらです→ 【H21年賀詞交歓会記録】








平成21年鉄鋼流通団体合同賀詞交歓会を開催

 

 平成21年の鉄鋼流通団体合同賀詞交歓会は、1月14日(水)午後5時より例年通り虎ノ門パストラル1階の鳳凰の間で盛大に開催された。

 定刻20分前に会場入り口に関係団体の長が居並び、立礼を交わしながら入場が始まった。

出席者は来賓として経済産業省製造産業局鉄鋼課の石川正樹課長、松渕隆弘課長補佐、鉄鋼業界からは鉄鋼産業懇談会の今久保哲大会長(新日本製鉄・代表取締役副社長)、同懇談会厚板部会の大出直文部会長(JFEスチール・専務執行役員)をはじめとしたメーカー、商社、関連機械メーカーの方々、関係ユーザー団体、報道関係の方々に加えて、全国各地からの会員・組合員など約650名が参集した。

 定刻には、今年の当番幹事である、全国厚板シヤリング工業組合の吉里勉・理事総務委員長の司会で開会。まず、主催6団体の代表が登壇し、主催者を代表して全国厚板シヤリング工業組合の髙木建理事長が開会の挨拶を行った。次に、経済産業省の石川正樹鉄鋼課長より祝辞が述べられ、引き続き今久保哲大・鉄鋼産業懇談会会長のご発声で乾杯が行われ、和やかな懇談に移った。

 午後6時15分に至り、全国厚板シヤリング工業組合の酒匂雅信東京支部長より中締めが行なわれ散会となった。

 

1.高木理事長の挨拶

 

 世界経済の先行きが全くわからないまま2009年を迎えた。昨年後半に金融不安の影響が出たが、実体経済への影響はこれから本格化する様相を呈している。この数年間、我々は鉄需拡大を追い風に好業績をあげたが、「山高ければ谷深し」というように、今回の不況は底が深く長く続くことを覚悟しなければいけない。この中で短期的な対策としては、まず在庫負担を軽くし、減産や需要縮小に対応することが求められる。金融不安も集中治療室から出たばかりで正常化していなので、好むと好まざるとにかかわらず、金融機関と仲良くしておくことが必要だ。また中長期的にみると、鉄需拡大が望めない以上、量に頼る経営から脱却し経営基盤を強化しなければいけない。鉄鋼流通加工業の原点に立ち返り、加工流通サービスの付加価値向上に知恵と工夫を凝らすとともに、この数年おろそかになっていた効率化・合理化の取り組みを総点検し追求し、品質向上と合わせ需要家の信頼を高めるのが大事だ。今日お集まりの方々は建設業に関連していると思うが、グローバルプレーヤーが円高などで苦戦する中、日本が不況を脱するには内需、中でも建設業がカギを握る。建設業と鉄鋼流通加工業の間で効率性と合理性を追求し、個別企業の枠組みを超え、業界団体として建設業と問題解決を図っていきたい。

 

2.石川鉄鋼課長のご祝辞

経済情勢は、大変厳しい状況にある。特に鉄鋼需要は、1-3月は非常に厳しく、4-6月もその延長線上にあり容易ではない。ただ、その先まで見通した場合はそんなことはない。どの国でも「いずれ鉄鋼需要が世界的に回復する時が来るので、その時に向けて準備しておく必要がある。」との指摘出ている。たとえば、鉄鉱石など原料確保の問題がそうである。今回の金融危機で新興国も経済が少し落ち、「デカップリング」の考えが間違っているとの指摘があるが、個人的にはむしろこれからが「デカップリング」ではないかと考えている。中国やインドなど途上国が内需を掘り起こし、経済発展のエンジンとするべく努力している。人口が多く、年齢が若い国では鉄道、高速道路、発電所が建設され、テレビや自動車を購買する層が出てくる。こうした需要が必ず日本にも波及し、日本の優れた鋼材への需要が高まる時期がやってくる。しばらくは強みを伸ばし、弱みを改善する原点回帰の形で慎重かつ適切な対応をとっていくことが次への飛躍につながると期待している。官民でコミュニケーションを密にしてできる限り意義のある政策を実施し、この難局を乗り切っていきたい。                  



 

3.今久保鉄鋼産業懇談会会長のご祝辞

 

 今回の不況は、全世界・全産業が非常に短時間で急落してきたのが特徴で、「バンジージャンプ・エコノミー」という人もいる。できれば紐が切れないことを祈りたい状況だ。鉄鋼業界においても実需減少に加え、鋼材の在庫調整だけでなく、需要家の製品も在庫調整や買い控えが起こるという三重苦に陥っている。こういう時は、必要以上に心配したり悩んだりするものだが、1年後には壮大な、とりこし苦労に終わっていると思う。新日鉄でもこの数年間の好況でわきが甘くなっている部分を見直す1年にしたい。いつかは分らないが経済は必ず回復する。その場合は東アジアが起爆剤になると思う。幸い日本は東アジアにあるので、この1年はそれに向け新しいビジネスモデルや仕事のやり方を作るための布石を打つ元年にしたい。我々は何回も不況を経験してきたが、そのつど「今回は違う」と繰り返し言ってきた。1-3月の粗鋼生産はおそらく過去最低の水準になるが、4-6月は少し回復するだろう。人間は悪いところに落ちてから少し上がると、ホッとするところがある。3日間悩み続けると、4日目から悩むことになれる強さがある。今日お集まりの皆さんを見ていると、来年のこの会にもお集まりになっていることと思う。今年は今日できることにひたすら注力し、1年後によく頑張ったなと思える1年にすることで、来るべき経済回復に備えたい。



 

4.酒匂東京支部長の中締め

 昨年から踊り場、土壇場と言われているが、今年は正念場を通り越して修羅場に入ってきた。

 

 

幸い今日お会いした皆さんは明るい表情をしている。「百年に1度の危機」と言われるが、百年前を知る人はいない。戦後の食料難や15年間需要が萎んだ前回の不況の方がずっと辛い時期だった。これまで培った体力と英知を結集し、あとは気合でこの修羅場を克服しましょう。

(三本締めで閉会)

 

                               以上

 

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