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年頭ご挨拶
理事長
髙 木 建
皆さん、明けましておめでとうございます。
昨年シャーリング業誕生百年を迎えた当業界は、皮肉なことに百年に一度の大不況に見舞われかつて無い苦況のもと新年を迎えることとなりました。陸上競技に例えれば、この数年間先頭集団を謳歌していたのに昨年はアッという間に最後尾に、そして周回遅れの憂き目を見る羽目に。しかも“正念場”の今年、第3コーナーを廻ったにもかかわらず、ゴールにたどり着けるかどうかさえ覚束ない状況に置かれています。
今回の不況から我々が学ぶべきは、この数年間の活況は能力増強に追われ、体質強化が手薄になったと言う意味で追い風参考記録と言われても仕方がないかなということ、そして景気の谷が深く長期化することばかりが取り沙汰されていますが、実は内需・外需(間接輸出)何れも地殻変動を始めているということではないでしょうか。
例えば建設の世界では少子高齢化から建築投資は漸減傾向にあり、また国の財政事情から公共投資縮減の傾向は今後とも避けられないなど、いずれ景気が回復しても、特に内需に関しては当分従来の需要規模は望めないということです。
我々が自らの手で需要を喚起することが出来ない以上、自助努力で事業継続出来る途を追求する以外、市場から淘汰されずに生き残る途はなさそうです。今こそ「量から質へ」と軸足を移し、効率化と高付加価値化をキーに事業構造の仕組みそのものに手を加え、収益改善を図るべき時に来ているのではないでしょうか。
具体的には、
①当面は実需に見合った生産とキャッシュフロー経営に徹するとともに、目先の仕事を求めて無益な消耗戦に巻き込まれず、マーケットと価格を大事にしていくこと
②60%操業でも経営を維持できる収益改善に傾注し、足腰の強い経営体質を造ること。そのために付加価値を上げるなど需要の深掘りと加工基盤の整備、事業規模の見直しを含むコスト改善・合理化の取り組み が求められていると思われます。
組合としても、こうした会員の取り組みに資する環境整備の一助として本年は以下の2点について重点的に取り組んでいきたいと考えています。
(1)「建築構造用鋼材の品質証明ガイドライン」の実運用・普及促進
一年半の検討期間を経て、昨年末切板の新しい品質証明方式がまとまりました。
これは、従来の裏書きミルシート等の方式に代えて原品証明書による新しい品質証明方式を採用したもので、
①トレーサビリティを確保しつつ使用鋼材とその品質の確認が効率的に行える仕組みであること
②現在、需要家から個別に要請される種々の検査や証明書類等の提出を省き過度な作業や費用の発生を抑制できること。また、品質強化に関わる費用増については有償と出来ること
③品質管理強化と併せて、従来必ずしも明確でなかった契約業務や仕様の決定、ミルシートの取扱いについてもより公正で透明性あるルールが織り込まれたこと
等、本ガイドラインは品質管理の強化とあわせファブ・シヤ両業界の業務効率化=合理化に有形・無形で資するものと期待しています。このため、その普及促進に向けファブ団体と実施方案について企画・協議を始めたところです。
(2)適正加工賃の確保に向け「加工賃決定ルール」の明確化
適正加工賃の確保が叫ばれて久しいが、何が適正か判然としないまま今日に至っているのが現状です。その理由の一つとして、歩留損失に関連する加工歩留・素材価格・スクラップ価格の取り扱い(コスト負担の原則)が需要家との間で不明確なまま取引されるケースが建材分野では多く見られることが挙げられます。しかしながら鉄鋼市場のグローバル化に伴い、今後鋼材価格・スクラップ価格が急速かつ大幅に変動する可能性が高まっています。このため我々溶断加工業からすれば外生的な要因で加工収益が大きく左右されるリスクは高まる一方であり、また加工収益が正しく把握出来ないことがコスト改善の芽を摘むことにもつながりかねません。切板加工賃そのものはあくまで個別取引の問題ですが、これら外生要素の取扱いについては、今後需要家との間で事前に取り決めておくなど加工賃設定の規準化を図り契約の透明度をあげる必要があると思われます。こうした取引慣行づくりに向け会員、需要家への理解活動を展開していきたいと考えています。
冒頭に述べたように本年我々を取り巻く環境はかつて無い厳しいものがありますが、生き残りをかけ自助努力でこの難局を乗り越えていきましょう。
(㈱ 富士鉄鋼センター 社長)