年頭ご挨拶
鉄鋼産業懇談会 厚板部会長 久保亮二
皆様、新年明けましておめでとうございます。
平成27年の新春にあたりまして、ご挨拶申し上げます。
昨年を振り返りますと、
海外では、欧州・中国・東南アジアといった国々での経済減速が漂う一方、日本経済は、降雪や台風といった自然災害の影響を受けながら、公共投資による建築・土木需要の増加、円安による経済効果も出始め、増税環境下でも景気は底堅く、日本経済の復活に向けて着実に前進したのでは、と考えております。
平成27年に関してですが、
昨年12月でのルーブル安とロシア内需の低迷や原油価格急落によるエネルギー分野向け鋼材需要の変化が粗鋼生産にどのような影響を及ぼすか、アジア市場の需給緩和と併せて注視が必要と認識しておりますが、
私共鉄鋼を取り巻く環境は、決して悲観すべき状況にはないと考えます。
特に、国内の厚板需要に関しましては、建設機械向けで排ガス規制の駆け込み需要の反動減が見込
まれるも、消費税増税の影響から落ち込んでいました住宅投資が底入れに向かうでしょうし、東京オリンピックを控え、インフラ整備の進展、ホテル建設等の民間投資の活性化も見込まれ、堅調な造船建造と併せて、底堅く推移することでしょう。
つまり、今ほど需要が先まで見えている時はなく、私共メーカ含め皆様方も、この需要を実りあるものとし、将来に向けた課題に備える年ではないかと思います。
一喜一憂せず、毅然と構え取り組むことが大事です。
全国厚板シヤリング工業組合の皆様が取り組まれている、不公正取引慣行の是正や適正加工賃の確保
といった、建材取引の適正化に関しまして、私共鉄鋼メーカは、実需に見合った生産を迅速・柔軟に実行し微力ながら、お役に立てればと考えております。
また、全国厚板シヤリング工業組合の皆様をはじめとした流通のお客様と力を合わせ、社会インフラには欠かせない厚板の魅力を一層引き立てるべく品質向上、新商品のご提供にも努めて参ります。
今年は、未年、群れをなす羊は家族の安泰を意味しております。皆様方と一体となり、厚板マーケットの安定成長を目指して頑張りましょう。
最後になりましたが、皆様方のご健康とご繁栄を心より祈念致しまして、私の新年のご挨拶とさせて頂きます。
(JFEスチール㈱ 専務執行役員)